飲食店の接客で重要な言葉遣いとは?言葉遣いで店の経営に大きな影響も

飲食店の接客で言葉遣いが重要な理由

接客業としてのサービスを提供するうえで、言葉遣いに気をつけるということは最低限のマナーとして当然ながらあります。
しかしそのような基本的な理由以外にも、言葉遣いが大きな問題となってしまったり、言葉遣いに気をつけることで店にとって大きな利益となる場合もあるのです。
クレームになる可能性
このような言葉遣いに対して厳しいお客様以外にも、言葉遣いは気をつけなければなりません。
接客態度や料理に問題がなくても、ちょっとした言い回しの違いがお客様にとって失礼にあたる場合があるからです。
言葉遣い以外の接客態度は完璧にやっているのに、言葉遣いがちょっと違うだけで大きく印象が変わってしまうこともあります。
例えば敬語をうまく使えず、謙譲語をお客様に対して使ってしまったりした場合などです。
謙譲語の間違った使い方として「どうぞ頂いてください」という言い方などで、正しくは「どうぞ召し上がってください」です。
お客様から「いただきます」と言われると、つられてしまいそうになってしまいますが、謙譲語の正しい知識を持って接するようにしましょう。
まだ、大学生くらいの若い人がこのような間違いをしていると、多少は大目にみてもらえることも多いですが、社員などの店舗の責任者がこのような言葉の使い方をしてしまっていると店としての品位を疑われてしまいます。
せっかく丁寧な接客をしていて、料理にも気をつかっているのに言葉遣いのことだけで店の品位を下げることになってしまってはもったいないです。
言葉遣いでクレームを回避
クレームがあった際は特に言葉遣いに気をつけなければいけません。
例えばクレームがあったときに使う言葉で「お客様がそうおっしゃったので・・・」という言葉があります。
これを「お客様がそう言ったので・・・」と言ってしまうとちゃんと敬語も使えないのかと、普段なら特に気にしないような言葉遣いであってもさらにヒートアップの原因となってしまいます。
クレームがあった際は言い方1つで大きく印象が変わってしまうので、特に気をつけなければなりません。
クレームがあった際はただ謝れば良いというわけではなく、なぜこのようなことが起きたのかまた、どのような対策をとっていくのかをその場で説明しなければなりません。
ただ、謝れば済むというようなことはほとんどなく「今回は〇〇が原因で、提供が遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした」と何か説明をする場合がほとんどです。
また、場合によっては明らかにお店側に過失はなく、お客様の勘違い等で怒っている場合もあります。
クレーム対応の状況説明
しかし店としては柔らかいハンバーグなので、基本的には箸で食べていただくようにしているという場合もあります。
鉄板にはナイフとフォークをつけるのが当然だと考えているお客様にとっては、はしを持ってこられたのは非常にありえない行動です。
この時に申し訳ございませんと言って、ナイフとフォークを出したらその場は収まるかもしれませんが、また違う日に来店したときに、お店のルールに則ってはしを提供するとまたクレームとなってしまいます。そのためハンバーグの肉が柔らかいので、基本的には箸を提供しているということをしっかりと説明しなければなりません。
その際に相手がどのくらい怒ってるかで言い方も気をつける必要があります。
さらに下手に謝ってしまうと、店側の過失を認めたと捉えられてしまいさらに大きなトラブルと発展する場合もあります。
この時の対応は店の経営に大きく影響を与えることでしょう。
常連客となってくれる可能性
このことは非常に難しいことで、丁寧な接客態度を望んでいる人もいれば、フレンドリーに接することを望んでいる人もいます。
丁寧な接客態度を望んでいる人に対してフレンドリーに接すると問題ですが、フレンドリーに接してほしい人に対して丁寧に接していても大きな問題とはなりません。
そのため、どんなお客様相手でも丁寧に接していれば、大きな間違いはないでしょう。
しかしながらフレンドリーに接して仲良くなると、常連客としていつも来てくれるようになってくれる可能性が高いです。
また、1人で来店する人などはあまり話しかけてほしくない人もいます。
人見知りなお客様などは、店員に話しかけられた途端に来なくなってしまうということもあるので要注意です。
このようなお客様の性格を抜いた上で、適切な言葉遣いで接客をすると常連客も増え、お店の安定的な経営に繋がります。
接客の基礎|QSC
QSCとは、次の3つことを指します。
- Quality (クオリティ)
- Service(サービス)
- Cleanliness(クレンリネス)
Quality (クオリティ)
単に美味しいだけではなく、いつ来ても美味しい同じ味かどうか。料理のボリュームに見合った価格設定になっているかなどを意識することが大切です。
お客様に提供する商品の品質を保つことが、持続的な飲食店経営に繋がります。
Service(サービス)
一度でも、不適切な態度や言葉遣いを使用してしまうと、お客様を不快な気持ちにさせてしまう可能性があります。
そのため、飲食店経営者としてはスタッフの態度や言葉遣いを教育しておく必要があります。
Cleanliness(クレンリネス)
お客様が利用するテーブルやトイレはもちろんのこと、あまり目の触れられないキッチンの中の清掃・整理をきちんとこなすことが大切です。
近年では、感染症のリスクも考慮しマスクの正しい付け方なども指導しておく必要があります。飲食店において、清潔さに欠けることは死活問題なので、徹底しましょう。
これだけは押さえておきたい!飲食店の接客7大用語
- いらっしゃいませ
- 少々お待ちください
- かしこまりました
- お待たせいたしました
- 申し訳ございません
- 恐れ入ります
- ありがとうございました
例えば、料理の提供が遅れてしまった状況で、笑顔で「申し訳ございません」と元気よくいうと、お客様からすればバカにされたような気持ちになる可能性も考えられます。
接客7大用語を覚えるだけでなく、状況に応じて適切に使用できるまで練習しましょう。
飲食店の接客で間違いやすい言葉遣い

このような言葉遣いはバイト敬語ともいわれており、お客様によってはこのような言葉遣いをしてしまうことで店の教育体制にも疑問をもたれることがあります。
しかしながらバイト敬語と呼ばれるような言葉遣いは、あまりにも多くの飲食店で普通に使われてきたため、特に違和感はなく受け入れられることも多いです。
とはいえ、特に客単価の高い少し高級なレストランにおいては、お店の品位を下げてしまうことになりかねないので、特に気をつけた方が良いでしょう。
「なります」
正しくは「こちらハンバーグ定食でございます」か「こちらハンバーグ定食です」という言い方をします。
「なります」という言葉を使うと何かが変化するという意味になってしまいます。
つまり「ハンバーグ定食になります」というと、何かがハンバーグ定食に変わったという意味となります。
「よろしかったでしょうか」
正しくは「よろしいでしょうか」であり、「よろしかった」とすると過去形となってしまいます。
確認をする際に過去形にするのは日本語としておかしいので間違った言葉遣いとなります。
「よろしかった」という言葉はよく使われているので多くの人は特に気にせずそのまま受け入れることが多いです。
しかし、間違った日本語を使うと店の品位を落としてしまうので、上品な雰囲気の飲食店は特に気をつけなければなりません。
「から」
正しくは「から」を省いて「10,000円お預かりします」という言い方が、正しい言い方です。
お会計の際に「から」を言ってしまっても、直接クレームになることはありませんが、やはり高級店などだと店の印象が少し悪くなってしまいます。これらの言葉遣いは大手チェーン店の飲食店のマニュアルにも書かれており、飲食店で働いたことのあるお客様、サービス業などで普段から言葉遣いに気をつけているお客様などは特に過敏に反応してしまうことでしょう。
普段使っている言葉を丁寧な言葉に置き換える
日本語には全く同じ対象のものを複数の言い方で表現することがあり、言い方によって丁寧な言い方だったり雑な言い方だったりと印象が大きく変わります。
主な言葉の置き換えは以下の通りです。
- 年寄/年取った人→ご年配の方
- 子供/お子さん→お子様
- 旦那さん/奥さん→旦那様/奥様
- 一人→おひとり様
- 一緒の人→お連れ様
- 僕/わたし/自分/俺→わたくし
- 我々/私たち→わたくしども/当店
丁寧な言葉遣いではない方がいい場合

丁寧な言葉遣いは相手に対して失礼な印象を与えないというメリットもある一方で、壁を作ってしまうという副作用もあります。
お客様によっては丁寧な言葉遣いをして壁を作ってしまうことで、常連客となるはずだったのに常連客とならなくなってしまう場合もあります。
どのような人に、どのような態度で接すればいいのか見分けるのは難しく、経験によって少しずつ感性を磨いていくしかありません。
しかしある程度の特徴はあるので紹介します。
親しげに話してくるお客様
親しげに話してくるお客様に対して丁寧な言葉遣いでしっかりとした敬語を使って他のお客様と同じように接してしまうと、壁を作ることになってしまいます。
そのようにされると親しげに話してきたお客様からすれば、せっかくフレンドリーに接しているのに壁にぶつかってしまったような印象を受けてしまい、なかなかその店には通いづらくなってしまいます。
そのため親しげに話してくるお客様に対しては、なるべくこちらも親しげな言葉遣いで接するようにしてみた方が良いでしょう。
大衆的な雰囲気の店
このような大衆的な雰囲気の店で丁寧な言葉遣いで接してしまうと、むしろノリが悪いと反感を買ってしまう場合があります。
ただし大衆的な雰囲気でしっかりとした敬語を使う必要がないとしても、お客様に対して失礼なことを言ってしまわないように気をつけなければなりません。
敬語などは多少いい加減で良くても、最低限の人と接する時のマナーなどは守るようにしましょう。
店の雰囲気とお客様に合わせて言葉遣いを変える
例えば上品な落ち着いた空間で食事ができるという飲食店であれば、しっかりとした敬語を使わなければなりません。
しかしながら大衆居酒屋のようにみんなでワイワイしながらお酒を飲むようなお店では、あまり丁寧な言葉遣いで接客をすると浮いてしまう可能性があります。
そのため大衆居酒屋ではそれほど丁寧な言葉遣いをする必要はありませんが、お客様の失礼にならないような態度をとるように気をつけなければなりません。
例えばお客様の容姿をいじったり、笑うべきでない所で笑ってしまったりすると丁寧な言葉遣いを求められてはいない店とはいえ怒られてしまいます。
特に初対面の相手であれば、どこに地雷があるか分からないので大衆居酒屋で丁寧な接客をする必要のない店ほど特に気をつけなければなりません。
飲食店の接客マニュアルを作成するメリット
- 新人の教育
- 接客の質向上
- 接客の質を一定に保つ
- コスト削減
- 店のコンセプトや雰囲気を浸透させる
新しく入ったスタッフがいつまで経っても仕事を覚えることができず、お客様に迷惑をかけてしまうかもしれません。さらに、新人教育のために人件費をかけなければいけなくなります。
一方で、接客マニュアルがあれば新人の教育が効率化できるだけでなく、お店の考えをスタッフ間で共有することができ、最終的には接客の質が向上が期待できます。
そうすれば、お店の評判もよくなり繁盛店となること間違いないでしょう。
飲食店の接客マニュアルを作成するデメリット
接客マニュアルを作成するデメリットは、次の通りです。
- マニュアル通りの対応しかできない
- 時間とコストがかかる
マニュアルばかりに縛られ、お客様とのトラブル時や不測の事態が起こった場合など、マニュアルに書いていないことを応用する力が育たないことが問題です。
また、マニュアルを変更したい場合なども再度、資料を作り変える必要が発生するなど手間がかかりることはデメリットでしょう。
まとめ
飲食店での言葉遣いは大衆的な飲食店であればそれほど厳密に気をつける必要がありません。
しかしながら大衆的な店であっても飲食店の経営に関わっている立場の人はやはり気をつけなければなりません。
何か問題が発生した時や、業者との交渉の時など言葉遣いが間違っていると問題が大きくなる場合もあります。
アルバイトへの教育も必要ですが、まずは経営者自身がしっかりとした言葉遣いを使えるように気をつけましょう。