京都・富小路に居を構え、ミシュラン一つ星を9年連続で守り続ける日本料理店「富小路やま岸」。グループは京都・東京に8店舗を展開し、日本料理、鍋懐石、居酒屋、焼肉まで多業態へと広がっています。
そんなやま岸グループでは、以前の他社台帳で予約媒体との連携やグループ間の顧客情報共有に課題を抱えていました。Respoを導入したことで、多店舗における運用の効率化や、店舗ごとにモバイルオーダーや決済端末まで組み合わせた”最適化”も実現しています。
京都やま岸グループの皆さまに、Respo導入後の変化や独自の活用方法について伺いました。
「お一人おひとりに合わせたおもてなしを」── 多業態グループの現在地
ーーーまず、「富小路やま岸」とやま岸グループについて教えてください。
「富小路やま岸」は、2015年10月に京都・富小路通の築130年の長屋を改装してオープンした日本料理店です。カウンター席のみ、コース一本でお客様をお迎えしています。2017年版『ミシュランガイド京都・大阪』で一つ星をいただき、おかげさまでそれ以来毎年星を守り続けています。
「お一人おひとりに合わせたおもてなしをする」というのが、わたしたちグループ全体に共通する考え方です。お客様の誕生日や記念日、アレルギー、これまでのご利用履歴、お酒の好みまで、お客様情報は丁寧に積み重ねさせていただいています。
ーーーグループでは、どんな店舗を展開されていますか?
現在、京都・東京で合計8店舗を運営しています。本店の「富小路やま岸」に加えて、京都市内に「呑小路やま岸」、「二条やま岸」、「祇園やま岸」、「焼肉やまちゃん」、「饗宴」。東京には、2023年11月にオープンした「銀座 呑小路やま岸」、2024年1月オープンの「富小路やま岸 麻布台ヒルズ」があります。
日本料理から鍋懐石、居酒屋、焼肉まで業態は本当にさまざまですが、根っこのところは全てのお客様に「やま岸ならでは」と思っていただける時間を一店一店でお届けしたい、という気持ちで運営しています。
店舗ごとに分断された台帳。多店舗化が進むほど現場の負担は重くなっていった
ーーーRespoを導入される前は、どのように予約を管理されていましたか?
以前は他社の予約台帳サービスを利用していました。複数の予約媒体からご予約をいただいていたのですが、当時の仕組みでは予約媒体と台帳が連携していなかったので、各媒体に入った予約を、スタッフが手入力で台帳に転記する必要があったんです。
ーーー手入力で転記、というのはなかなかの作業量ですね……。
そうですね。日時・人数・お名前・席種・コース・備考、と入力する項目も多いので、どうしても入力ミスは起きてしまっていました。特に予約が立て込む日や、新しいスタッフが対応する日は、確認に追われて神経をすり減らしてしまう、という声がよくあがっていました。
料理人として料理に向かう前に、入力作業に気を取られる時間が長かった、というのが正直なところです。
もうひとつ大きな課題が、グループの店舗間で顧客情報を共有できていなかったことです。たとえば「富小路やま岸」によく来てくださるお客様が、「銀座 呑小路やま岸」を予約してくださっても、それが同じお客様だと当日まで気づけない、ということが起きていました。
お客様にとっては「同じやま岸グループ」ですから、本来はお迎えの仕方も連動していたいんです。けれど、店舗ごとに別々の台帳になっていたので、グループ全体での“積み重ね”が活かしきれていない感覚はずっとありました。店舗数が2〜3店のうちは現場の頑張りで何とかなっていたのですが、東京進出を含めて店舗・業態が広がるなかで、限界を感じ始めていました。
多店舗・多業態でも“迷わない”運用ができるようになった
ーーーRespoを導入されて、まず実感された変化はどんなところでしたか?
一番分かりやすいのは、各予約媒体に個別にログインする必要がなくなったことです。Respoは予約媒体と台帳が連携しているので、媒体側の管理画面を一つひとつ開きにいかなくても、Respoの中でほぼ全部完結します。
ーーー「ヘルプ」の場面で効いた、というお話も伺いました。
はい、これは現場のスタッフから特に喜ばれた変化です。グループ内では、店舗間でスタッフがヘルプに入ることがよくあります。以前は、応援先店舗の媒体のログイン情報を別途共有してもらってログインし直す、といった手間が発生していました。
Respoを導入してからは、自分のアカウントでログインすれば、応援に入った瞬間から、その店の予約状況をそのまま自分の店と同じ感覚で確認・操作できます。「ヘルプに入った日が一番ストレスが多い」という状態が解消されたのは、想像以上に大きかったです。
ーーー店舗ごとに、Respoの使い方が異なるとも伺いました。
そうなんです。やま岸グループでは、店舗の業態に合わせてRespoのプロダクト群を組み合わせて導入しています。特徴的なのは「呑小路やま岸」で、ここは予約に関連する台帳やサイトコントローラーに加えて、POS、決済端末、そしてモバイルオーダーまでフルセットで使っています。
ーーー「呑小路やま岸」でフルセットを選ばれた理由は?
呑小路やま岸では、まずおまかせの基本コースを楽しんでいただいた後に、お客様がその日の気分やお腹の具合に合わせて、好きな料理やお酒をアラカルトで追加していくスタイルを取っています。スタッフがその都度オーダーを取りに行く時間や、会計時にお客様をお待たせしてしまう時間── どうしても発生してしまうこの“滞留時間”を、モバイルオーダーや決済端末によってできる限り減らしたかったんです。
導入後は、スタッフが注文や会計対応に追われすぎることなく、本来大切にしたい「快適な食事の時間を提供する」「お客様と会話する」といった時間に、より集中できるようになりました。やま岸グループが大事にしてきた、お客様ごとの流れや好みに寄り添うおもてなしの時間を、Respoが裏側から増やしてくれている感覚があります。
ーーー数字には表れにくい、現場の変化もあるそうですね。
はい、現場のスタッフが口を揃えて言うのが、「人的ミスが減ったこと」と「メンタル面の安心感」です。手入力転記がなくなったので、人数違い・日時違いといった予約ミスがほとんど発生しなくなりました。グループ間で顧客情報が共有されているので、「このお客様は初めてだろうか?」と毎回現場で迷う場面も大幅に減りました。
“確認”と“間違っていないかという不安”に取られていた時間と気力が、料理とお客様に向き直る時間に変わった── これは、お客様には見えない部分ですが、サービス全体の質に直結していると感じます。
店舗が変わっても「やま岸の質」が変わらない仕組み
ーーーやま岸グループならではの、Respoの使い方を教えてください。
Respoの標準機能について、自分たちの運用に合わせて「使い方そのもの」を磨き込んできました。代表的なものを2つご紹介します。
1つ目が、誕生日・アレルギー情報の「色分け管理」です。Respoの顧客情報のうち、特に重要な項目を“色”で運用しています。誕生日や記念日のお客様、アレルギーや苦手食材のあるお客様、要VIP対応のお客様── それぞれに色を割り当て、グループ全店で同じ色のルールを共有しています。
色は単なる目印ではなく、「この色が見えたら必ずキッチンに共有する」「この色のお客様には店長が一度ご挨拶する」など、運用ルールと一対になっています。Respoという同じ台帳の上で、同じ色のルールが走っていることで、店舗が変わっても「やま岸の質」が一定に保たれる、という効果は大きいです。
店舗ごとにRespoのプロダクト構成を「使い分ける」ことです。懐石業態の「富小路やま岸」などは予約台帳と顧客管理を中心に、コース一本のお店なのでオーダー周りは現場のホスピタリティで対応します。居酒屋業態の「呑小路やま岸」などは、先ほどお話ししたように、サイトコントローラー+POS+決済端末+モバイルオーダーまでフルセット。多媒体運用が中心の店舗は、サイトコントローラーを軸に媒体在庫の一元化を最優先しています。
「グループ全店で同じ運用にすべき」と決め切らない方が、結果としてお客様の体験も、現場の負担感も最適化できる、というのが私たちの実感です。料理においても「素材ごとに最適な手数を選ぶ」のが大事ですが、システムでも同じだと思っています。
これからも現場の声を伝えるパートナーであり続けてほしい
ーーーやま岸グループにとって、Respoはどんな存在ですか?
私たちにとってRespoは、「使われる側」ではなく「使う側」の道具なので、これからも現場の声を伝えながら、より良いサービスにしていくパートナーであり続けてほしいと思っています。
ーーー最後に、Respoの導入を検討している飲食店の方にメッセージをお願いします。
多店舗・多業態でやっている店舗ほど、「ひとつの台帳でグループ全体が見える」「店舗ごとに必要なプロダクトを選べる」というRespoの設計はフィットすると思います。逆に、まずは1店舗でというお店でも、予約媒体と台帳が連携しているだけで、現場のミスとストレスは大きく減るはずです。
テクノロジーは、京料理の伝統や、それぞれの店の世界観を壊すものではなく、それを下から支えるための土台です。Respoには、その「下支え」をこれからもお願いしたいですね。
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