飲食店の開業届|書き方・出し方・提出先を記入例つきで解説

飲食店の開業届|書き方・出し方・提出先を記入例つきで解説

経営2026/07/182026/07/16New

「開業届っていつ、どこに出すの?」と、見慣れない書類を前に手が止まってしまう方は少なくありません。でも、順番に確認していけば、開業届は決して難しい手続きではありません。 この記事では、個人で飲食店を開業する方に向けた開業届の取り方を、記入例つきで整理しました。読み終えるころには、必要なものをそろえて迷わず提出できる状態になっているはずです。

先に結論からお伝えすると、飲食店の開業届で押さえるべきは次の4点です。

まずはこの4点さえ押さえておけば、手続きの大枠はOKです。ここから先は、それぞれを「つまずかないため」に補足していきます。お急ぎの方は、気になる見出しだけ拾い読みしてください。

なお本記事は、個人で開業する方(個人事業主)を主な対象にしています。法人として開業する場合は手続きが大きく異なるため、後半で違いに触れます。

飲食店に開業届の提出は必要?

個人で飲食店を開業するなら、開業届の提出は必要です。開業届は、事業を始めたことを税務署に知らせるための書類で、正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。

実は、開業届を出さなくても罰則はありません。とはいえ、提出しないと受けられないメリットが多く、出さない理由はほとんどないのが実情です。主なメリットは次の3つです。

  • 青色申告ができる:最大65万円の特別控除など、大きな節税につながります
  • 屋号名義の銀行口座がつくれる:お店の名前で口座を開設でき、お金の管理と信頼性が高まります
  • 融資・補助金の審査で有利:開業届の控えが事業実態の証明として使われる場面が多くあります

罰則がないため軽く見られがちですが、提出しないデメリットのほうがはるかに大きい、と考えておきましょう。

開業届はいつ提出する?

開業届は開業日から原則1か月以内に提出します。これは所得税法(第229条)で定められたルールです。提出期限が土日・祝日にあたる場合は、その翌開庁日が期限になります。

前述のとおり、1か月を過ぎても罰則はなく、税務署は過去の日付の開業届も受け付けてくれます。ただし提出が遅れると、開業した年の青色申告に間に合わないなど、税務上で不利になることがあります。「開業したら早めに出す」を基本にしてください。

もう一つ大事なのが、青色申告で節税したい場合に出す「青色申告承認申請書」です。こちらは開業届と提出期限が異なり、業務を開始した日から2か月以内が期限とされています。期限を別々に管理するのは手間なので、開業届とセットで同時に提出してしまうのが賢い進め方です。

Kommentar des Vorgesetzten

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Point

開業届そのものより、実は青色申告承認申請書の2か月の期限を逃す方のほうが多いです。開業届だけ先に出して「青色はあとで」と思っているうちに2か月が過ぎ、その年は白色でしか申告できなかった、という話はよく聞きます。提出先は同じ税務署ですから、迷ったらとにかく2枚セットで一緒に出してしまうのが確実です。

※青色申告承認申請書の提出期限は、開業日(業務開始日)から2か月以内です(その年の1月15日以前に開業した場合や、白色から切り替える場合は、その年の3月15日まで)。開業届の1か月以内とは期限が違うため、忘れないよう開業届とセットで同時提出するのが確実です。

開業届の提出に必要なもの・用紙の入手先

必要なのは申請書1枚だけ、と思われがちですが、実際はマイナンバー確認書類・本人確認書類もあわせて必要です。当日に慌てないよう、事前にそろえておきましょう。



用紙(開業届本体)の入手方法は、主に次の3つです。

  1. 税務署の窓口でもらう
  2. 国税庁のサイトからダウンロードする(PDFを印刷して記入)
  3. e-Taxや会計ソフトの作成サービスを使う(画面の案内に沿って作成)

提出したら、控え(記入内容のコピーやデータ)は必ず手元に保管してください。融資や口座開設の審査で提示を求められることがあります。なお2025年(令和7年)1月から、税務署が控えに収受日付印を押す運用は廃止されました。郵送の場合は正本のみを送り、希望者には提出日や税務署名を記した「リーフレット」が交付されるので、これを保管しておきましょう。

Kommentar des Vorgesetzten

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Point

融資や屋号口座の申込みで控えの提示を求められる場面多いです。自分でコピーを1部残し、窓口や郵送でもらえるリーフレットは捨てずに保管しておいてください。e-Taxなら受信通知がそのまま提出の証明になるので、この点では一番ラクです。


開業届の書き方(記入例)

開業届の記入項目は多く見えますが、飲食店の開業でつまずきやすいのは限られた欄だけです。ここでは特に迷いやすい「職業欄」と「屋号欄」に絞って解説します。

  • 職業欄:『飲食業』と記入すればOKです。厳密な区分にこだわる必要はなく、事業内容が伝わる表記であれば受理されます。
  • 屋号欄:お店の名前を記入します。記入は任意ですが、屋号名義の口座をつくるなら入れておくのがおすすめです。
  • 事業の概要欄:「サービス業」のような抽象的な書き方は避け、「居酒屋の経営」「カフェの運営」のように具体的に書きます。

開業届はどこに・どうやって提出する?

提出先は、納税地(原則としてお店または自宅の所在地)を管轄する税務署です。どこが管轄かわからない場合は、国税庁のサイトで住所から検索できます。

Kommentar des Vorgesetzten

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Point

「お店の住所と自宅、どっちの税務署に出すの?」という質問は本当に多いです。基本は納税地=自宅(住所地)でかまいませんし、店舗の所在地を納税地にすることもできます。ここを深く考えすぎて手が止まる方がいますが、まずは住所地の管轄で問題ありません。

提出方法は、次の4つから選べます。

提出方法によって、本人確認書類の扱いが変わる点に注意してください。e-Taxなら本人確認書類の添付は不要ですが、書面(窓口・郵送)ではマイナンバー記載にともなう本人確認が必要になります。

一緒に出したい「青色申告承認申請書」

飲食店の開業で節税を考えるなら、開業届と一緒に出しておきたいのが「青色申告承認申請書」です。この申請をしておくと青色申告ができ、複式簿記での記帳など一定の要件を満たせば、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。

控除額は、記帳方法や提出方法によって次のように変わります。

  • 65万円:複式簿記+e-Taxでの申告
  • 55万円:複式簿記+書面での提出
  • 10万円:簡易簿記

【要確認】令和8年度税制改正で青色申告特別控除の見直しが決まり、令和9年(2027年)分の所得税から適用されます。複式簿記+e-Tax+優良な電子帳簿等で最大75万円に拡充される一方、書面(紙)で提出する場合は10万円に縮小される方向です。2026年分の申告はこれまでどおり最大65万円のままなので、これから開業する方はまず現行制度で準備を進めれば問題ありません。最新の要件は国税庁「No.2072 青色申告特別控除」でご確認ください。

提出期限は、業務を開始した日から2か月以内(すでに事業を行っている方が切り替える場合は、その年の3月15日まで)です。開業届と提出先は同じ税務署なので、同時に出せば二度手間になりません。開業準備で忙しい時期だからこそ、まとめて済ませてしまいましょう。

個人事業主と法人で手続きは違う?

法人(会社)として開業する場合は、そもそも提出する書類が異なります。個人の「開業届」にあたるのが、法人の「法人設立届出書」です。こちらは法務局での設立登記を済ませてから、税務署に提出する必要があります。個人と法人では別の流れになるため注意しましょう。

開業届以外に必要な許可・届出

飲食店を開くには、税務署への開業届だけでなく、次のような許可・届出も必要になります。

  • 保健所の営業許可(飲食店営業許可)
  • 食品衛生責任者の設置
  • 消防署・警察署への届出(施設の規模や業態による)

これらは開業できるかどうかを左右する重要な手続きです。それぞれの取り方や必要書類は、飲食店の開業手続き完全ガイドで詳しく解説しているので、あわせてご確認ください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 開業日はいつにすればいい?
A. 明確なルールはなく、オープン日や営業準備を始めた日など、根拠を説明できる日付を自由に設定できます。ただし提出日より後の未来の日付にはできません。

Q. 提出後に屋号や住所を変えたら?
A. 変更内容に応じて、あらためて届出が必要になる場合があります。管轄の税務署に確認しましょう。

Q. 控えを失くしてしまったら?
A. 「保有個人情報の開示請求」などの手続きで、提出内容を確認できる場合があります。まずは管轄税務署に相談してください。

Q. 提出に費用はかかる?
A. 開業届・青色申告承認申請書ともに、提出そのものに費用はかかりません。

Q. 法人でも開業届は必要?
A. 法人の場合は「開業届」ではなく「法人設立届出書」を提出します。手続きが異なるため、法人設立向けの情報をご確認ください。

まとめ

最後に、飲食店の開業届のポイントをおさらいします。

  • 提出期限は開業日から原則1か月以内
  • 提出先は所在地(納税地)を管轄する税務署
  • 用紙は税務署の窓口か国税庁サイトで入手できる
  • 開業届+マイナンバー確認書類+本人確認書類がセットで必要
  • 節税するなら青色申告承認申請書も同時に提出する

なお、法人として開業する場合は「法人設立届出書」による別の手続きになります。開業届はそれほど難しい書類ではありません。要点を押さえて早めに提出し、安心してお店のスタートを切りましょう。
開業手続きの全体像を確認したい方は、 飲食店の開業手続き完全ガイドもあわせてご覧ください。

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