飲食店の開業で使える補助金・助成金は?制度一覧と申請の流れ【2026年】

飲食店の開業で使える補助金・助成金は?制度一覧と申請の流れ【2026年】

経営2026/08/072026/08/07New

飲食店の開業には、内装や設備でまとまったお金がかかります。「開業費用の一部でも補助金でまかなえたら」と考える方は多いはずです。 ただ結論から言うと、開業費用の総額をまとめて補助する国の制度はありません。それでも、お店を出す地域の創業助成や、開業まもない店向けの国の補助金など、開業前後の費用に使える制度はいくつもあります。集客につながる費用が対象になる制度も少なくありません。

この記事では、飲食店の開業で本当に使える補助金・支援制度を早見表で整理し、申請の流れと失敗しないための注意点までをわかりやすく解説します。

まず結論

  • 国の補助金で「開店資金そのもの」を直接受け取れる制度は、原則ありません
  • でも、①お店を出す地域の「創業助成」②開業まもない店向けの国の補助金なら、開業前後の費用に使えます。
  • 国の制度は全国どこでも同じ/自治体の制度は地域ごとに「ある・ない」も金額も違います。そのため自治体の制度は、必ず"自分の地域"を調べる必要があります。
  • 押さえるべきルールは3つあります。①受け取れるのは後払い②交付決定の前に買ったものは対象外③公募の時期を逃さないことです。

早見表で自分に合う制度を確認し、そのあと申請の流れへ進みましょう。

そもそも「補助金」って?助成金・融資との違い

早見表を見る前に、「補助金とは何か」だけ先につかんでおきましょう。

補助金は、返さなくていいけれど「後払い」でもらうお金です。①先に自分で払う → ②領収書で証明する → ③一部が後から戻る、という流れで、審査があるため、申し込んでも通らないことがある点も知っておきたいところです。 

似た言葉「助成金」「融資」との違いはシンプルです。助成金は条件を満たせば原則もらえるお金(人を雇うときなどが代表例)、融資は返済が必要な代わりに先にまとまった額が手に入るお金。この記事で主に扱うのは「補助金」です。

飲食店の開業で使える支援制度 早見表

使える制度は「開業する前に使える/開業した後に使える」で大きく2つに分かれます。さらに、それぞれを「国の制度/自治体の制度」で割って見ると、一気に整理しやすくなります。

早見表A|国の制度(全国どこでも同じ条件)

小規模事業者持続化補助金<創業型>補助率・上限:2/3・上限200万円(インボイス対応で最大250万円)
使いみち:厨房機器、集客につながる店舗改装、チラシ・看板・HP
時期:開業後1年以内
窓口:商工会議所・商工会(様式4)+市区町村(創業塾の証明書)
デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)補助率・上限:枠により異なる
使いみち:会計・受発注・予約などのソフト導入費
時期:開業前後
窓口:事務局(IT導入支援事業者経由)
キャリアアップ助成金補助率・上限:コースにより定額
使いみち:アルバイトの正社員化など
時期:人を雇うとき
窓口:労働局・ハローワーク

早見表B|自治体の制度(地域で有無・金額・条件が違う。下はあくまで"例")

東京都「創業助成事業」助成率・上限:3分の2以内・上限400万円/下限100万円
使いみち:賃料・人件費・広告費など
時期:開業前後
窓口:東京都(TOKYO創業ステーション等)
地域課題解決型の起業支援金補助率・上限:1/2・最大200万円
使いみち:社会的事業の開業費用
時期:開業前後
窓口:都道府県・事務局
市区町村の店舗改修・創業補助補助率・上限:自治体による
使いみち:内装・改修費の一部など
時期:開業前後
窓口:各市区町村

※補助率2/3とは「かかった費用の3分の2まで補助、残り3分の1は自己負担」という意味です。
※人を雇うときは、補助金とは別枠でキャリアアップ助成金(アルバイトの正社員化など/窓口:労働局・ハローワーク)も使えます
※自治体系は金額・要件が改定されるため、必ず各自治体の最新の公募要領をご確認ください。 

監修者コメント

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Point

制度を選ぶときは、上限額より先に「いま要件を満たせるか」「開業時期と公募が噛み合うか」を見てください。補助金は年に数回の公募で、しかも後払い。私の周りでも、締切に間に合わずに次回待ちになったり、交付決定の前に発注して対象外になったりする人を何度も見てきました。順番と募集時期、この2点さえ押さえておけば、大きな失敗は避けられます。 

ここまでで、使える制度の全体像はつかめたはずです。ここからは、それぞれの制度を「開業前後」と「開業後」に分けて、もう少しくわしく見ていきます。気になる制度のところだけ読んでも大丈夫です。

【開業する前〜直後】に使える制度は"自治体"の創業支援が主役(地域で異なる)

開業前後に使えるものは、その多くが自治体の制度です。つまり、地域ごとに中身が違うのが前提になります。

代表例①:都道府県・市区町村の創業助成
たとえば東京都の「創業助成事業」は、補助率2/3・上限400万円/下限100万円とされています。ここでいう補助率2/3とは「かかった費用のうち3分の2まで補助され、残り3分の1は自己負担」という意味です。なお、こうした制度は申し込む前に、自治体の創業セミナー受講などの事前準備(数か月かかることも)が必要な場合があります。思い立ってすぐ申請、とはいかない点に注意してください。

代表例②:地域おこし系の起業支援金
補助率1/2・最大200万円といった制度もあります。ただしこれは「地域の困りごとを解決する社会的なお店」向けで、対象は原則東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)以外。ややこしいのですが、東京圏内でも過疎地域などの"条件不利地域"は対象になることがあります。まさに「地域によって違う」を象徴する制度なので、自分の地域を調べるきっかけにしてください。

探し方 国の制度と違って、まず自分の自治体を調べるのが出発点です。次の窓口が使えます。

  • 自治体の公式サイト(「◯◯市 創業 補助金」で検索)
  • J-Net21(中小企業向けの支援情報ポータル)
  • ミラサポplus(国・自治体の支援制度を横断検索)
  • 商工会議所・商工会の無料相談(対面で聞ける)

なお、これらの制度は個人(個人事業主)でも対象になるものがほとんどです。「法人じゃないから無理かも」と諦める必要はありません。

監修者コメント

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Point

自治体の創業助成は、申し込む前に指定のセミナーや相談を受けておくことが条件になっているものが多く、これに数か月かかります。物件を探し始めたら、契約より先に窓口へ相談だけ済ませておくのがおすすめです。私の周りでも、ここを後回しにして公募の時期に間に合わなかった人を何人も見てきました。

【開業後】に活用しやすいのは"国"の補助金(全国共通)

開業したあとは、国の補助金が使いやすくなります。全国どこでも条件が同じなので、地域差を気にせず検討できます。

小規模事業者持続化補助金<創業型>
開業まもない店向けの国の補助金です。チラシ・看板・HPなど「お客さんを増やす取り組み」の費用に使えます。3分の2まで・上限200万円(インボイス対応で最大250万円)とされています。対象になるのは、集客につながる取組の費用です。チラシ・看板・HPのほか、客席やトイレの改装工事も含まれます。仕入れ・敷金・家賃は対象外で、チラシ・看板とHPはそれぞれ30万円までです。上限200万円を使うなら、厨房機器か店舗改装が柱になります。買うのは交付決定より後にしてください。
※インボイスとは「適格請求書」の登録のことです。

監修者コメント

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Point

この制度でつまずくのは、たいてい書類の準備です。申請には商工会議所が出す様式4が必要です。発行受付は申請締切の10日ほど前に閉まり、しかも代表者本人が窓口に行かないと依頼できません。市区町村の創業塾も1か月以上・4回以上の受講が条件です。逆算すると、狙う公募の半年前から準備を始めたい制度です。私の周りでも、書類が間に合わず次回待ちになった人が何人もいます。 

デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)
会計・受発注・予約などのソフト(システム)の導入費に使える補助金です。ここで間違えやすいのが、POSレジやタブレットなどの「機器」は原則として対象外という点。この制度はあくまでソフトの導入を助けるものなので、機器だけを買っても補助されません(一部、ソフトとセットで対象になる例外もあります)。予約管理や顧客台帳などのシステムには対象になるものもあるので、導入前に対象ツールかどうかを確認しておきましょう。 

補助金の審査や後払いを待たなくても、初期費用・月額0円から予約管理を始められるサービスもあります。開業直後で少しでもコストと手間を抑えたい場合は、こうした選択肢も検討してみてください。 → 飲食店の予約・顧客管理を0円から:Respo

人を雇うときの助成金
キャリアアップ助成金などがあります。アルバイトを正社員に切り替えるときなどに活用できます。

申請の流れとスケジュール

補助金は「思い立ってすぐもらえる」ものではありません。募集時期と手順を守ることが前提になります。全体像を先に見ておきましょう。

STEP1:情報収集・制度選定 — 公募要領を確認し、自分に合う制度を選びます。

STEP2:事業計画書の作成・申請 — 提出先は制度ごとに異なります(商工会議所経由・事務局へ電子申請など)。

STEP3:交付決定通知の受領 — ここで初めて「対象」と認められます。

STEP4:契約・発注・購入 — 必ず交付決定の"後"に行います。

STEP5:事業実施・実績報告・受給 — 入金まで数か月〜1年近くかかる場合もあります。

監修者コメント

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Point

「良い厨房機器が見つかったので先に発注した」という方は本当に多いのですが、交付決定より前の契約・購入は、後から説明しても対象外になります。見積もりまで進めておくのは構いませんが、発注は通知が届くまで我慢してください。

開業のお金は「融資」で先に用意しておく

ここまで見てきたとおり、補助金は後払いです。だからこそ、開業時のまとまったお金は「融資」で先に確保しておくのが基本になります。開業前は融資で用意 → 開業後に補助金で負担を軽くする、という時系列で考えるとうまくかみ合います。

時期お金の集め方主な使いみち
開業前融資(先にまとまった額を確保)内装・設備・当面の運転資金
開業後補助金(後から一部が戻る)販路開拓・ソフト導入など
監修者コメント

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Point

開業したての頃は、補助金の入金を待つ数か月〜1年のあいだにも、家賃も仕入れも出ていきます。私の周りでも「採択されたのに、入金前に資金が尽きかけた」という相談は少なくありません。補助金はあくまで"後から戻ってくるボーナス"と考えて、開業資金そのものは融資で厚めに確保しておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q. 個人事業主でも申請できる?
できます。多くの創業助成・補助金は個人事業主も対象です。 

Q. 申請すれば必ずもらえる?
いいえ。補助金には審査があり、採択率は制度によって大きく異なります。たとえば東京都の創業助成事業は採択率が約15%前後と、決して高くありません。事業計画書の完成度が結果を左右します。 

Q. 複数申請は可能?
制度が違えば併用できることもありますが、同じ経費を二重に補助することはできません。組み合わせは公募要領で確認しましょう。 

Q. 自分で申請できる?
できますが、事業計画書に不安がある場合や大型の制度を狙う場合は、商工会議所や認定支援機関に相談すると通過率が上がりやすくなります。 

まとめ

  • 開店資金そのものへの国の補助は原則なし。ただし地域の創業助成・開業まもない店向けの補助金なら使えます。
  • 押さえるべきは、冒頭でも触れた3つのルールです。
    もらえるのは後払い(先に立て替えが必要)/②交付決定の前に買ったものは対象外/③公募の時期を逃さない
    この3つさえ守れれば、大きな失敗はほぼ防げます。

補助金の申請と並行して、開業後の集客や予約管理の準備も進めておくと、オープン後がスムーズです。初期費用・月額0円から始められる予約管理もあるので、コストを抑えたい方はあわせて検討してみてください。
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本記事の情報は2026年7月時点のものです。補助金・助成金は公募回ごとに要件・金額・時期が変わります。申請前に必ず各公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。

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