営業許可証の取り方・費用・期間はこれだけ

- 取り方:事前相談 → 内装工事 → 申請書の提出 → 施設検査 → 営業許可証の交付
- 費用(新規):おおむね 16,000〜19,000円(自治体により異なる/【要確認】)
- 期間:事前相談から交付まで 約2〜3週間(余裕をみて1ヶ月前には申請完了を)
- 最重要ポイント:内装工事の前に、必ず保健所へ事前相談に行く
営業許可証の取得は、飲食店を開くうえで避けて通れない「最低条件」です。取り方そのものは難しくありませんが、動く順番を間違えると手戻りが大きいのが、この手続きの注意点です。もう一つ、逆算のときに見落としがちなのが、営業許可証は「開業日」だけでなく、その前のさまざまな申し込みでも求められるという点です。次のような手続きは、許可証がないと進められません。
- 決済端末(キャッシュレス決済)の申し込み
- デリバリーサービスへの登録
- グルメサイトへの掲載
- 店舗向けの任意保険への加入
- 商業施設に出店する際の提出書類(百貨店など)
- 法人口座の開設
とくに決済端末やグルメサイトの審査は、申し込みから利用開始まで1ヶ月ほどかかることも珍しくありません。「営業許可は開業日に間に合ったのに、オープン初日にキャッシュレス決済が使えない」という事態は、実は現場でよく起こります。売上に直結する部分なので、これらを開業初日から使いたいなら、許可証の取得自体を開業の1ヶ月前には終えておくのが理想です。
もっとも、そのためには物件を早めに借りて内装を前倒しで進める必要があり、家賃の発生期間が延びるといった負担もあります。ここは自店の資金余力と、開業初日にどこまで揃えておきたいかを天秤にかけて判断してください。
営業許可証取得までの流れ(5ステップ)
営業許可証の取得でつまずきやすい最大のポイントは、この手続きが「内装工事を始める前」から動くという点です。工事の前に? と意外に感じるかもしれませんが、理由はシンプルです。
営業許可とは、その店舗が飲食店として営業してよい設備・衛生水準を満たしているかを、行政が確認するための仕組みです。窓口となり審査を行うのは、食品衛生を管轄する保健所。「シンクは2槽以上あるか」「手洗い場は適切な位置・構造か」といった細かな施設基準を、担当者が実際に見てチェックします。
つまり、審査対象は“店の間取りや設備そのもの”です。だからこそ、内装が仕上がってから基準を満たしていないと分かると、壁や配管をやり直すことになりかねません。
これを避けるために、内装工事を始める前(=着工前)の段階で、まず保健所へ相談しておく必要があります。

- STEP1 事前相談:内装の図面ができる前に保健所へ相談。ここで施設基準の認識を合わせておく(最重要)
- 相談は電話でもかまいません。施設基準のガイドラインは自治体サイトでも公開されており、保健所も電話で丁寧に教えてくれます。より安心を求めるなら、図面を持って窓口を訪ねるのも一つの手です。
- STEP2 内装工事:相談で受けたアドバイスを設計に反映し、施設基準を満たす形で工事を進める
- STEP3 申請書類の提出:工事完了後、必要書類を提出し施設検査の日程を決める。開業予定日の10日前までが目安
- STEP4 施設検査:食品衛生監視員が施設基準を満たしているか実地でチェックする
- STEP5 交付:検査合格後、数日〜1週間ほどで営業許可証が交付される。店内の見やすい場所に掲示して営業開始

Comentario del supervisor
この手続きでいちばんもったいないのが、図面を固めて工事を始めてから保健所の指摘を受けるケースです。シンクの数や手洗いの位置は、後から直すと壁や配管に手を入れることになり、数十万円単位の追加工事になってしまうこともあります。とくに気をつけたいのが居抜き物件です。「前も飲食店だったのだから大丈夫だろう」と思っていたら、検査で基準を満たしていないと指摘され、追加工事や、最悪の場合オープン日の延期になってしまうケースもあります。
いつから動く?申請スケジュール

営業許可証取得までのスケジュールは、開業日から逆算して組むのが鉄則です。
理由はシンプルで、許可証が交付されるまでは営業できないからです。取得の目安は2〜3週間ですが、書類の不備や検査での指摘があれば、その分だけ後ろにずれます。遅くとも開業日の1ヶ月前には申請を完了させておくと安心です。

Comentario del supervisor
食中毒警報が出やすい6〜10月ごろは、保健所の相談や検査が立て込みやすい時期です。この時期のオープンを狙うなら、通常より2〜3週間は前倒しで動くくらいでちょうどいいと思います。また、お盆・年末年始・ゴールデンウィークをはさむ時期は、保健所の休みで手続きが数日〜1週間ほど後ろにずれることもあります。こうした大型連休の前後に申請する場合も、いつもより早めに動いておくと安心です。
ここまでで、営業許可の取り方・費用・期間・つまずきやすい順番という全体像はつかめたはずです。とりあえず申請の見通しだけ立てたい方は、ここまでの内容でも十分に動き出せます。ここからは、施設基準・必要書類・申請書の書き方・費用・更新まで、一歩踏み込んで解説します。
そもそも飲食店営業許可証とは?
飲食店営業許可証とは、食品衛生法にもとづき、食品を調理して客に提供する店舗に義務づけられた許可です。管轄の保健所長から受けます。
押さえておきたいポイントは4つです。
- 2021年(令和3年)6月1日の法改正で、「喫茶店営業許可」が「飲食店営業許可」に統合・一本化されました。あわせて許可が必要な業種が34から32に見直されています。これから開業する場合、カフェや喫茶店であっても取得するのは「飲食店営業許可証」です。
- テイクアウト・移動販売(キッチンカー)・屋台でも、調理して提供するなら許可が必要です。店内飲食かどうかは関係ありません。
- 許可を取らずに営業すると、食品衛生法違反となり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金の対象になります。「小さな店だからバレない」は通用しません。
- 食品衛生責任者などの資格・人の要件については、資格・許可・届出の準備リストで詳しくまとめています。

飲食店開業で必ず必要な資格・許可・届出の準備リスト|見落としがちなポイントも解説
飲食店開業に必要な資格・許可・届出を一記事で解説。「調理師免許は実は不要」など見落としやすいポイントを中心に、食品衛生責任者の取り方・保健所の営業許可申請の流れ・提出すべき届出一覧まで、必須なものとそうでないものを整理します。
営業許可証取得のための施設基準
営業許可は、店舗の設備が食品衛生法および各自治体の条例で定める「施設基準」を満たしていることが前提です。検査で見られるのは、主に厨房の水回りと区画です。

主なチェック項目は次のとおりです。
- シンク2槽以上/手洗い専用設備/給湯設備があること。
- 手洗い設備の水栓が「洗浄後の手指の再汚染を防止できる構造」であること。これは2021年改正で加わった新しい基準です。手でひねるハンドル式は不可で、レバー式・センサー式・足踏み式・プッシュ式などにする必要があります。ただし、対象は調理場内の手洗い専用設備のみで、トイレや食器・食材を洗うシンクは対象外です。
- 厨房と客席が扉やカウンターで区分されていること。
- 温度計つきの冷蔵庫/フタつきのゴミ箱/防虫対策(網戸・自動ドア等)があること。
なお、具体的な基準は自治体によって細部が異なります。だからこそ、工事に入る前の事前相談が欠かせません。
申請に必要な書類一覧
必要書類は、「全員が必ず用意するもの」と「店の状況によって必要になるもの」に分けて考えると整理しやすくなります。
| 書類 | 内容・入手先 | 対象 |
|---|---|---|
| 営業許可申請書 | 保健所または自治体サイトで入手 | 全員 |
| 施設の図面(平面図) | 厨房・客席・設備の配置図。内装業者に依頼して取り寄せ | 全員 |
| 食品衛生責任者の資格証明 | 資格証・講習修了証・食品衛生責任者手帳 | 全員 |
| 水質検査成績書 | 井戸水・貯水槽の使用時のみ。登録検査機関に依頼(1年以内) | 該当者 |
| 登記事項証明書 | 目的欄に「飲食店経営」。法人番号の記載で省略できる自治体も | 法人 |
食品衛生責任者は、栄養士・調理師・製菓衛生師などの資格があれば講習が免除されます。該当者がいない場合は、各都道府県の食品衛生協会が実施する1日の講習(費用の目安は約1万円/【要確認】)を受ければ取得できます。講習は時期によって予約が埋まっていることもあるため、日程が決まったら早めに申し込んでおくのがおすすめです。

Comentario del supervisor
食品衛生責任者の講習は、開業が集中する時期ほど予約が埋まります。オープン日が決まっているのに講習だけ間に合わず、隣の県まで受けに行った、という話は今でもよく耳にします。早く受けて損することはまずないので、開業を決めたら最優先で申し込んでしまうのがおすすめです。物件が決まったら、内装と並行して予約だけは先に押さえておきましょう。
営業許可申請書の書き方(記入例)
申請書の主要な記入欄を、項目ごとに解説します。


①宛名(管轄の保健所名)
用紙の冒頭には、申請先となる管轄の保健所長名を記入します。店舗の所在地を管轄する保健所を、事前に確認しておきましょう。
②申請者
氏名・住所・連絡先を記入します。法人の場合は、法人名・所在地・代表者名を記載します。
③営業所・営業の種類
店舗の名称(屋号)・所在地・営業の種類を記入します。一般的な飲食店であれば、営業の種類は「飲食店営業」です。
④欠格事項
過去に食品衛生法違反で処分を受けていないか、許可を取り消されてから一定期間が経過しているかなどを確認する欄です。新規開業で該当することは通常ありません。該当の有無を正しく申告します。
⑤食品衛生責任者
設置する食品衛生責任者の氏名を記入します。1店舗につき1名以上の設置が必須で、複数店舗での兼任はできません。
※様式・記入欄の名称は自治体で異なります。必ず管轄自治体の様式と記載要領に従ってください。
営業許可証の取得にかかる費用
費用は「申請手数料」だけではありません。主な内訳は次のとおりです。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 新規申請手数料 | 16,000~19,000円(自治体による) |
| (東京都の例)新規 | 18,300円 |
| (東京都の例)更新 | 8,900円 |
| 食品衛生責任者 養成講習 | 約1万円(例:東京都 12,000円) |
| 行政書士などへの代行依頼 | 別途 3~10万円 程度 |
※金額は自治体・年度で変わります。最新額は管轄の保健所でご確認ください。
開業前後のコスト管理やタスクの抜け漏れ防止に 営業許可証の取得は、開業準備の一部にすぎません。資金・仕入れ・人件費といった数字の管理を一つにまとめたい方は、店舗運営をトータルで支える Respo もあわせてご検討ください。初期費用0円・主要機能は無料で始められるので、なにかと出費がかさむ開業期でも導入のハードルが低いのが特徴です。
営業許可証の有効期限と更新
営業許可証は一度取れば永久ではなく、有効期限が設けられています。
- 有効期限は5年以上(一般的には5〜8年)。施設の堅牢性や設備の耐久性を検査で査定して決まるため、自治体・施設によって幅があります。期限は許可証の下部に記載されています。
- 更新は、有効期限の約1ヶ月前までに手続きするのが目安です(遅くとも2週間前までに)。保健所から通知が来ないこともあるため、自分で期限を管理しましょう。
- 期限が切れると「更新」ではなく「新規」扱いになり、必要書類が増えます。さらに、切れたまま営業を続けると無許可営業とみなされ、罰則の対象になります。
業態によって追加で必要な許可
飲食店営業許可に加えて、扱う品目や営業時間によっては別の許可・届出が必要になります。
- 菓子製造業許可・そうざい製造業許可:店内で作った菓子や惣菜を客に提供・テイクアウトする範囲は飲食店営業許可証でカバーできますが、製造して卸す・別ラインで本格的に製造する場合などは、扱う品目に応じて別途これらの許可が必要になることがあります。判断に迷う場合は事前相談で確認しましょう。
- 深夜0時以降の酒類提供:バーや居酒屋など、深夜0時〜午前6時に主に酒類を提供する場合は、警察署(公安委員会)への「深夜酒類提供飲食店営業開始届」が必要です。これは許可ではなく届出で、営業開始の10日前まで(法人は地域により20日前まで)に提出します。前提として飲食店営業許可証が必要です。あわせて必要になる資格・許可・届出は、資格・許可・届出の準備リストで確認できます。

飲食店開業で必ず必要な資格・許可・届出の準備リスト|見落としがちなポイントも解説
飲食店開業に必要な資格・許可・届出を一記事で解説。「調理師免許は実は不要」など見落としやすいポイントを中心に、食品衛生責任者の取り方・保健所の営業許可申請の流れ・提出すべき届出一覧まで、必須なものとそうでないものを整理します。
営業許可証に関するFAQ
Q. テイクアウトのみでも営業許可証は必要?
A. はい。店内飲食かどうかにかかわらず、食品を調理して提供するなら飲食店営業許可証が必要です。
Q. 営業許可証を紛失したら?
A. 対応は自治体によって分かれます。再交付申請で新しい許可証を出してくれる保健所もあれば、再発行はせず「営業許可証明書」(発行手数料の目安 400〜500円程度)で対応する保健所もあります。まずは管轄の保健所に連絡し、手続き方法を確認してください。
Q. 居抜き物件でも取り直しは必要?
A. 原則として、営業者が変われば新たに許可を取り直す必要があります。前のオーナーの許可をそのまま使うことはできません。ただし、事業譲渡契約・相続・法人の合併などで一定の要件を満たす場合は、「地位承継届」で許可を引き継げることもあります。該当しそうなときは保健所に相談しましょう。
Q. 有効期限が切れたらどうなる?
A. 「新規」扱いでの取り直しになり、必要書類が増えます。切れたまま営業すると無許可営業になるため、期限は必ず余裕をもって管理してください。
まとめ
飲食店の営業許可証は、保健所への申請 → 施設検査 → 交付という流れで取得できます。費用は新規で約1.6〜1.9万円、期間は2〜3週間が目安です。
成否を分けるのは、手続きそのものよりも「動く順番」です。図面を確定して工事に入る前に、必ず保健所の事前相談へ。ここを押さえるだけで、内装のやり直しやオープン遅れといった大きな手戻りを防げます。
なお、物件探しから資金調達まで開業手続きの全体像を確認したい方は、

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本記事の情報は2026年7月時点のものです。手数料・様式・施設基準・有効期限は自治体や年度で変わります。申請前に必ず管轄の保健所と各公式サイトで最新情報をご確認ください。


















